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『自分を甘やかした責任は自分でとるしかありません』
という旨のブログを昨日書きました。その時思いだしたことがあります。
昔(12年前)ある保護者の方と3者面談をしているとき、ふれ腐れ系の生徒(中学3年男子)が「自分の人生だ、自分で責任を取るならいいんだろ!ほっといてくれ!」と親御さんにかみついた事件?がありました。
責任がある、とか責任を取れ、とは皆が言いつのりますが(それこそ下は子どもから上は総理まで)、果たして「責任を取る」ことは原理的に可能なのでしょうか。
私は取れないと思いますよ。
例えば中学生が自転車走行中、不注意で24歳女性に対し交通事故を起こしたとします。相手は骨折の大けが。
これに責任はとれるでしょうか。
当たり前ですけど、取れないじゃないですか。
すでに病院に行ってるし、被害者は仕事を休むし、そもそも事故にあったという不愉快さや恐怖はどれだけ謝罪しても消えないですよね。赦しはあるかもしれない。でも、記憶は残ります。許そう、しかし忘れまい、というやつです。
繰り返しますが、「責任を取る」って言ったところで、実際に補償を進めていって謝罪しても、許されても「事故をおこした事実」は消えないんです。
責任を取る、というのは、「トラブルや事件になる前、平穏な状態」を維持する責任を俺が持つよ、とりあえず俺に任せて、というような意味で使うものです。
いわば事前的に用いるもので、トラブルが起きた後事後的に発言するものではありません。
自分の人生でこの先、どんな不快なことがあっても耐える、という意味でこのふて腐れ系男子くんは発言してます。
自分が不快になったら自分で耐える、という意味合いだと思いますが、これは可能でしょうか。これは一人で耐えていることになるんでしょうか。
無理だと思いますよ、これも。
自分が不快な目にあっても、、、という時点でダメですね。なぜなら、不快という感情はうつるからです(まさしくウィルスのように)。ほら、クラスの中でイライラしてるやつがいるとその空気感って伝染するじゃないですか。
ということはですね、不快に感じるということ自体が周りに負担を与えるんですよ。この場合。
その責任とれるんでしょうか? とれない責任を取るなどと軽々しく言わないほうがいいね、といったら目から鱗が落ちたような顔をしていました。
卒塾するときに聞いたら、かなり新鮮な話だったらしいです。その子は高校2年が終わるまで通塾してくれていました(その当時勤めていた塾には大学受験部がなかったので近隣で名が知られた知り合いの個人塾へ転籍してもらいました)。
こういう理路って、単純に知性の使い方というか、頭の体操みたいなものですけど、やはり知らないものは知らない。僕のこの話だって、内田樹先生の「困難な成熟」を読んで、そういえば昔僕も同じような話をしたわ…と思いだすまで全く忘れてました。
ふと、思い出したことだったので、備忘録的に記事にしました。
さらっと読んでお忘れください(笑)。
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