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敬老の日が設定されたのは昭和41年。「としよりの日」が(昭和22年~兵庫県)ではやっていたのを国が採用して敬老の日としたのです。
当時の高齢化率は6%。現在の高齢率は31%。超高齢社会です。
この20年、年金の需給バランスが世代間によって大きく異なるなどの理由で、高齢者に対するイメージは悪化しているように思います。「老害」なんて言葉もあるくらいです(あと、これは高齢者を直に指す言葉ではありませんが「上級国民」なんて言葉もありました。現実として「上級国民」の98%は高齢者だと思います)。
加えて若年層に対する雇用政策の失敗(非正規化)もあって現役世代の所得は劇的な減少を続けています(この点において与野党を問わず政治の責任は非常に大きいと考えています)。
所得が下がり続けているのに国の社会保障費があがるので、増税になる。現役世代が高齢者になっても年金は出ないのではないか?と思うと気持ち的にやりきれない。
そういうことだと思います。
高齢者バッシングは今後もこうした社会状況を背景に続くと思います。
世代間対立の種はもう約20年前に「蒔かれて」おり、いま、我々は以前の「無策の果実」を味わっているわけです。非常に苦い現実です。
さて。僕自身はこうした「バーチャルな高齢者像」(年金でいい思いしているぞ、ウハウハ♬)というのには与しません。自分の父母を含め、そういう高齢者を見たことがないからです。
なにせ人口の31%もいるのですから、ふつうにテレビやネットニュースに出るはずなんです。どーーーん、と。たくさん出るはずなんです。若者のおかげで今はラクチン!という空気読めない人が。
出るのは麻布に住むAさんとか、農村に住む関係者Fさんとか、匿名を条件に語るZさん、とかじゃないですか。
芸能ゴシップニュースに出る「事務所関係者」というのと同じだと考えています。バーチャルな存在で実体はない。でも、人々の不満というか、空気感で作られた「その時代にだけリアリティがある滑稽なつくりもの」である可能性が高い。
年金需給のバランスなど、納得を求める政治的発表がないのは残念なことですが、そもそも日本の政治家というのは世界観を示す(何かを演説したり、発表したり)のが苦手であるというか、出来ません。
先日の日本サッカーの話でもやりましたが、日本人は「世界はこうだ、それに対して自分は…」とほかの国の進歩におろおろし、自分の立ち位置を決めることが民族的奇習なのです。現在は米国の、其れ以前は欧州列強の、それ以前は中華帝国の、、、というふうに、日本人は「自分たちは世界標準からこんなに遅れている」という心理を持つのが標準の国民なのです。
こうした国民性を持つ有権者に選ばれた指導者がやれることは、世界の国々の様子を見て「戸惑い、おろおろする」ことくらいだと思います。有権者はほかの国の指導者の世界観を見て「だから日本は駄目なんだ」となさけなくなる。
そしてその「情けなさ」を他人のせいにする(そんな指導者を選んでいるのは有権者自身ですから)ことが(特に幕末以来の)日本人特有のストレス解消というか、民族の奇習なんだと思います。
長くなりました。現役世代と高齢世代との対立ですが、人口が減り始めるというフェーズに差し掛かっている世界最先端の国が日本です。ほかの国々は、すべてほとんどの国が日本の後を追って人口減少の時代に入ります。
この際、世界最先端の国であるという意識をもって、「人口減少を、高齢化を楽しむ」くらいの発想の転換がいります。日本が経済大国であった時代は終わった、でも、これから「貧乏なんだけど、上機嫌な暮らし、ご機嫌な態度の国」を作ることはきっとできます。
くり返します。対立のフェーズを超えた発想の転換が必要です。貧乏になるのはしょうがない&それでもみんながご機嫌に暮らせる国を作る、そうした視座で国家の基盤を作ていかないとますます一極化は進み、さらなる貧乏=貧困がやってきます。日本人は貧乏に耐えることはできます(江戸時代はみんな貧乏でしたが、265年も平和でした)。ただ、貧困には耐えられない。歴史に学ぶ時が来ていると思います。
C こまーしゃる M
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