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今日は、関係者Aさんのご質問にお答えします。お店運営に関する質問ですね。
材料として、小説家の村上春樹さんが書いていた、「店をやる心得」を紹介したいと思います。
村上春樹さんは早稲田大学在学中より「ピーターキャット」というジャズ喫茶を経営され、29歳になるまでの7年間、コーヒーやカクテルを出したり、生演奏が聴ける店にするためにいろいろなアーティストさんを店に呼ぶなど、かなりアクティブな自営業の方としてその界隈では知られた方でした。
その後、ふとしたきっかけで「僕には小説が書けそうだ」と思い立ち(それは麗らかな春の日差しが降り注ぐ神宮球場で野球観戦中の出来事だったそうです)、紆余曲折が多少あったものの、そのまま小説家になられたという方です。
そんな人生の転換点があるなんて、そして、その小説が今や世界中で評価されている。すごいですね。
その春樹さんが「店をやる心得」として、流行る店の条件をあいているコラムがあります。
①10人のお客が来て、8人くらいが「まあまあだな」と思い、2人が「この店は無いわ」と思う
②10人のお客が来て、8人くらいが「この店は無いわ」と思い、2人が「この店はアリだな」と思う
流行る店がどっちかわかりますか?
①だと、10人中8人がまあまあの評価をしている。②だと、10人中2人が「これはアリ」と思っている。でも、8人は「外れ」だと思っている。
正解は・・・・・②です。流行っている個人店というのは、10人のお客さんが来て、2人、もしくはたった一人でいいから、「もう一回来よう」と思う店なのです。
店の経営って、それで何とかなるんです(実は塾も似ています)。
例えば、当塾の場合ですと、近隣のエリアに各学年約500人の生徒さんがいると推定しています(これはしっかりと調査していますので、ほぼあっています)。それに対して、当塾の一学年の定員は大体20名。20÷500=0.04 つまり、4%の生徒さんが「この塾が面白そう、来てみよう」と思えば、満席です。
春樹さんの店の論理はリピーターの方が20%いることを前提にしていて、これは飲食業ならではの数字だと思います。塾の場合は4%です。
こういうことを知らずに、興味や熱意だけで「その業界未経験」で足を突っ込むと、痛い目に合う確率が格段に高まります。塾は参入障壁の垣根が非常に低いので、いろいろな業種の方が参入してきますが、驚くことに近年は「塾の経験が全くないまま」塾にかかわる方が増えています。
もちろん、天性の勘に優れた先生もいらっしゃいまして、やったことがなくてもガンガン生徒の成績を上げて生徒数も増える、という方も稀にいますが、やはり稀です。
*{ここから余談}*
ここまで今日の当ブログを読んでくださった方(特に保護者の方)に、塾のHPのチェック部分で大事なことをお知らせします。それは、代表者の写真があるか、それからメッセージはあるか、ということをチェックする必要があります。
「代表に塾経歴があるかどうか、それは集合授業か個別塾か」「どんな考えをしていて、どんなカリキュラムを組んでいるのか、それを自分の文で表現できているか」
読んでみて、違和感がある場合、その塾には向いていません。微妙な違和感がある程度であれば、問い合わせてみるといいかもしれません。向き不向きが分かってきます。
*{余談ここまで}*
最初の話から遠く離れてしまいましたが、「お店(店舗)」とはそういう原理で動いています。業種によって違いますが、どの業界にも原理があります。
自身で何かの店をやりたい、というAさん、参考にしてみてください。
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