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今日のあかさたな作文。今日のブログは主に若手スタッフ、大学生の非常勤スタッフに向けて書いています。
現代の若者は、「君たちには無限の可能性がある」という思想が全面的に肯定される(少なくとも、そういうことを否定するのは世間的にまずい)世の中で育っています。これ自体は悪いことでは無いのですが、これが別の問題も引き寄せます。
5年ほど前、大学受験に英検を入れようとした当時の文部科学大臣が「民間試験である英検導入は北海道や離島などの受験生に不利なのでは?経済力のある家庭とない家庭の差をどうするのか」と聞かれた際に、「まあそこは、身の丈に合わせていただいて頑張ってもらえれば」と発言し猛批判されました。当たり前です。
あまりに不適切な発言ですが、問題は発言が事実に反し不適切であったことではなく、「格差がある」というだれでも知ってる不都合な真実を文科相が自ら認めただけでなく、それを修正しようと努力するつもりがないということを明らかにしたのが批判されたのです。
身の丈にあったことをやらなければならないなんて、実は誰でも知っています。でも、それを自由や平等、幸福追求のために存在する政府が自ら「身の丈に合わせよう」と言ったら政府の存在理由はありません。政府というのは、あくまでも自由・平等・幸福という理想を追求するためにあるのです。だから批判されて当然です。
しかしながら、庶民の知恵と言いますか、「できるだけ努力はするけど、あまりに大きな高望みはしないほうがいい(身の丈に合わせて生きる)」というのは大事なことです。
西郷隆盛が「名もいらぬ、地位も権勢もいらぬ、というひとが一番始末に負えない」と言ったことがありましたが、達成できないような欲望に身を焦がしている人は本当に始末に負えない、という例を僕は何度も見てきました。
僕自身のことを言うと、欲望を二つに大雑把に分けて考えます。
まずは高い理想を掲げる部分。少なくとも仕事では僕は非常に高い合格水準を採用しています。教育というのはこうあるべきだ、理想の塾とはこういうものだということを体現したいと格闘しています。僕にとって塾の活動というのはマラソンとかトライアスロンに似ています。楽しいけど、楽じゃない、苦しい時もあるけど、やりがいはある。そういうものです。
一方、例えば食事ですが、僕は理想が非常に低い水準で肉体を維持しています。要するに味にこだわりがなく、食べ物があれば、できるだけ何でも食べます。味・見栄え・店名のこだわりとか、この店の最高級料理じゃないと食べない、ということはありません。まったくない。
理想を低くする=身の丈に合わせてかんがえる、ことの利点は、簡単に幸せになれることです。
いつでも、どこでも、だれとでも、たいていの物事から幸せを感じることができる。使い分けが大事です、というお話です。
もう大体言いたいことは伝わったと思いますが、自身でこの厳しい世の中で生き抜いていくには、プランA(理想通りに人生が進むプラン)も大事です。ただし、たいていの場合、プランB(Aがうまくいかなかった場合のプラン)が必要です。Cとか、Dとか、Zくらいまで必要かもしれません。
高い理想に恋焦がれて、プランAにこだわり、無理な欲望に焦がれて焼かれる人ほど手に負えないものはない、です。それでは駄目なんです。理想を追いつつ、身の丈に合った生き方も。
ここが人生という試験に出るポイントです。ぜひ覚えておいてください。
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