「うちの子が遅くて不安です」という声への答え
保護者の方から、よくいただく相談があります。
「うちの子、勉強が遅くて……」
「周りの子はどんどん進んでいるのに、大丈夫でしょうか」
とても自然な不安だと思います。今日は、その点について少し整理してお話しします。
■ 「遅い=不利」ではありません
まずお伝えしたいのは、学習のスピードが遅いこと自体は、問題ではありません。
多くの子どもは、
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一度で覚えられない
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何度も繰り返して、やっと定着する
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その代わり、一度身につくと忘れにくい
というタイプです。
これは「能力が低い」のではなく、処理の仕方が違うだけです。
実際、クラスの大半はこのタイプです。
■ かめは、陸上でうさぎと競争しなくていい
ここで、よく使う「かめとうさぎ」の話を、少しだけ違う角度から考えてみてください。
かめが、
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陸上で
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うさぎと
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短距離走をする
これは、どう考えても不利です。
でも、水中や沼地ではどうでしょうか。
そこでは、うさぎは力を発揮できません。
かめの方が、圧倒的に強い。
つまり、「勝てるかどうか」は能力よりも、フィールド選びで決まることが多いのです。
■ 子どもには「向いている戦場」があります
勉強が苦手な子の中にも、
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競輪(自転車競技)の理論やデータに異様に強い
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魚や生き物の分類・生態には驚くほど詳しい
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将棋やカードゲームになると集中力が別人のように高まる
そんな子がたくさんいます。これは偶然ではありません。
その子は、自分に合ったフィールドでは、集中力も理解力も跳ね上がるということです。
大事なのは、「アウェイで戦わせ続けること」ではなく、ホームで力を発揮できる経験を持たせることです。
■ 勉強は「万能」ではない。でも「基礎体力」にはなる
一方で、誤解してほしくないのは、「じゃあ勉強はやらなくていい」という話ではありません。
勉強は、すべての才能を直接伸ばすものではない。でも、どんな分野に進むにも必要な基礎体力です。
読み取る力。考え続ける力。嫌なことでも、一定時間向き合う力。
これらは、どのフィールドに進むとしても必要になります。
■ 遅い子ほど「正しい場所」で伸びる
学習が遅い子ほど、
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やり方が合ったとき
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環境が整ったとき
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比較されず、積み上げを評価されたとき
一気に伸びることがあります。
逆に、
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速い子と同じ土俵に無理に上げる
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常に比較される
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「まだできないの?」と言われ続ける
こうした環境では、本来の力が出にくくなります。
■ 知求塾が大切にしていること
知求塾では、
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その子が「かめ」なのか
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どんなフィールドなら力を出せるのか
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今は基礎体力づくりの時期なのか
を、常に見ながら指導しています。
目先のスピードよりも、最終的に立てる場所を重視します。
■ 最後に
「うちの子は遅いかもしれない」
それは、欠点ではありません。
戦う場所を間違えなければ、
かめは必ず強い存在になります。
そして、そのフィールドは、今すぐ一つに決めなくていい。
今は、ゆっくりでも前に進み、力を蓄える時期です。
私たちは、その過程を一緒に支えていきます。

