知求塾

保護者さま向け補足~困難は分割せよ~

2026年1月18日 | chikyujyuku

「やる気がない子」に見えるときの、少し違う見方

保護者の方から、最も多く聞く言葉の一つが、「うちの子、やる気がなくて……」です。

宿題に取りかからない。声をかけても反応が薄い。机には向かうけれど、集中しているようには見えない。

見ている側としては、不安になりますし、ときに腹も立ちます。

ただ、ここで一度、「やる気がない」という言葉の中身分解(分割)して考えてみてください。


■ 本当に「やる気がない」子は、実は少ない

現場で長く子どもたちを見ていると、純粋に「何もしたくない」「どうなってもいい」
という子は、実はほとんどいません。

多くの場合、どう始めていいかわからない、何をやってもできない気がしている、失敗する自分をこれ以上見たくない

こうした感情が「動かない」という形で表に出ているだけです。

外から見ると「やる気がない」。中で起きているのは、「怖さ」や「諦め」です。


■ やる気は「出してから動く」ものではありません

よくある誤解があります。「やる気が出たら、動ける」という考え方です。

実は、順番は逆です。

  • 小さく動く

  • 少しできる

  • あ、できた、と思う

  • そこで初めて、やる気が出る

やる気は、行動の結果として生まれることがほとんどです。

最初からやる気満々な子は、むしろ少数派です。


■ 「怠け」と「止まっている」は違います

何もしない子を見ると、「怠けている」と感じてしまいがちです。

でも、目標が大きすぎる、比較され続けて自信を失っている、失敗体験が積み重なっている

こういう状態では、人は簡単に止まります。

これは性格の問題ではありません。心理的なブレーキです。

ブレーキを踏んだまま「アクセルを踏め」と言われても、前には進みません。


■ 大人ができるのは「火をつける」ことではない

保護者として、「なんとかやる気を出させたい」と思うのは当然です。

ただ、残念ながら、他人が直接やる気を注入することはできません。

大人にできるのは、ハードルを下げる、分割する、失敗しても大丈夫な空気を作る。この3つです。

「今日はこれだけでいい」
「5分だけやってみよう」
「できなくても怒られない」

この安心感がないと、子どもは動き出せません。


■ 「やる気がない子」は、フィールドが合っていないだけのことも

以前お話ししたように、子どもには向いているフィールドがあります。

  • 勉強では無反応なのに、ゲームや将棋、カード、図鑑になると驚くほど集中する

これは「逃げ」ではありません。

力を発揮できる場所を知っている、というサインでもあります。

その集中力を、どう別の分野に接続していくか。それが大人の役割です。


■ 「今、動いていない」=「将来も動けない」ではない

中学生・高校生の時期に、一時的に止まることは珍しくありません。

思春期・自己否定・比較社会

今の子どもたちは、想像以上に負荷の高い環境で生きています。

止まる時期があること自体は、失敗ではありません。

問題なのは、「止まっている=ダメ」と決めつけてしまうことです。


■ 知求塾が見ているのは「今の姿」だけではありません

知求塾では、

反応が鈍い子・表情に出にくい子・すぐに成果が見えない子

ほど、長い目で見ます。

今は動いていなくても、条件が整ったときに一気に伸びる子を、私たちは何人も見てきました。


■ 最後に

「やる気がない」と見えるとき、その子は「どうしたらいいかわからない」状態にいるだけかもしれません。

責めるより、小さくする。
急かすより、安心させる。

それだけで、子どもは少しずつ動き始めます。

私たちは、その一歩が出る瞬間まで、一緒に待ちます。