「うちの子の成績だと、集団塾と個別塾、どちらがいいでしょうか?」
これは、塾をやっていると本当によく受ける質問です。
そして、多くの方が無意識のうちに、こんな基準で考えています。
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成績がいい → 集団塾
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苦手がある → 個別塾
ですが、現場で長く子どもたちを見てきた立場から言うと、
この考え方はかなり危険です。
なぜなら、
集団か個別かを決める基準は、成績ではないからです。
成績は「結果」であって「原因」ではない
まず押さえておきたいのは、
今の成績は「その子の性質」をそのまま表しているわけではない、という点です。
・環境が合っていない
・やり方が定着していない
・タイミングがまだ来ていない
こうした理由で、成績が出ていない子はたくさんいます。
つまり、
成績だけを見て塾の形態を決めるのは、かなり粗い判断なのです。
集団塾が合う子の特徴
集団塾が合いやすいのは、
次のようなタイプの子です。
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学校の授業ペースが遅く感じる
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説明を一度で聞き取ろうとする
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多少わからなくても、後で自分で整理できる
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過当競争を前向きな刺激として受け取れる
このタイプの子は、
多少理解が追いつかない場面があっても、
全体の流れの中で吸収していく力があります。
逆に言えば、
「成績がいいから集団が合う」とは限りません。
成績が良くても、説明を聞き逃しやすい子は、
集団の中で置いていかれます。
個別塾が合う子の特徴
一方、個別塾が合いやすいのは、
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自分のペースで学習するのが好き
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わからないまま進むと手が止まる
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考えを言葉にするのに時間がかかる
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指示が具体的であるほど意欲が上がる
こうしたタイプの子です。
これは、決して能力が低いという意味ではありません。
むしろ、丁寧に積み上げれば大きく伸びるタイプであることも多い。
問題は、
「成績が悪いから個別」
「とりあえず個別なら安心」
と安易に選んでしまうことです。
個別塾にも“落とし穴”がある
個別塾は、
「その子に合わせる」ことができる反面、
合わせすぎると伸びなくなるという側面もあります。
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指示待ちになる
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自分で考えなくなる
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常に助けてもらえる前提になる
この状態が長く続くと、
学校のテストや集団の場で、急に弱くなります。
個別塾は、
自立に向かわせる設計がされているかどうかが、非常に重要です。
本当に見るべき判断基準
では、何を基準に考えるべきか。
知求塾では、次の点を重視しています。
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指示がなくても手を動かせるか
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間違いを隠すか、向き合えるか
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周囲と比べて崩れるか、踏ん張れるか
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一人で考える時間に耐えられるか
これらは、点数表からは見えません。
ですが、
集団・個別の向き不向きを分けるのは、
ほぼ間違いなくここです。
塾の形態よりも大切なこと
最後に一つ、大事なことを書いておきます。
実は、
**集団か個別か以上に大切なのは「塾の思想」**です。
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子どもを楽にさせすぎないか
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できない時間をちゃんと経験させるか
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結果よりもプロセスを見ているか
これがないと、
どんな形態でも、子どもは伸びません。
最後に
集団塾と個別塾の選択は、
「今の成績」で決めるものではありません。
その子が、どんな環境で“自分と向き合えるか”
ここを基準に考えるべきです。
塾は、
成績を上げる場所である前に、
学び方を身につける場所です。
その前提を忘れなければ、
選択を大きく間違えることはありません。

