【第3回】質問することは、すぐに答えを教えてもらうことではありません
知求塾では、新しく「質問あります札」を設置しました。
質問したいときに札を立てることで、声を出さなくても、先生に質問や相談があることを伝えられる仕組みです。
ここで、
「質問をしやすくすると、すぐに先生を頼るようになりませんか」
「自分で考えなくなるのではありませんか」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、知求塾が考えている質問は、先生からすぐに答えを教えてもらうことではありません。
札が立っても、答えをすぐに言うわけではありません
質問札が立っている生徒のところへ先生が行ったとき、すぐに答えを伝えるとは限りません。
まず、
「どこまでは分かった?」
「問題文には何と書いてある?」
「教科書の似た問題を確認してみた?」
「途中式をもう一度書いてみようか」
「何を求める問題か整理してみよう」
などと声をかけます。
先生が少しヒントを出すだけで、生徒が自分で先へ進めることもあります。
また、生徒自身が説明している途中で、
「あ、分かった」
となる場合もあります。
質問するために、自分が何を分かっていないのかを言葉にすること自体が、大切な学習です。
ずっと一人で悩むことが、自力で考えることではありません
自分で考えることは、とても大切です。
分からないからといって、すぐに答えだけを聞く学習では、力はつきにくくなります。
一方で、分からない問題の前で、何十分も手が止まったままになることが、よい学習とも限りません。
自分で考える時間は必要です。
しかし、考えるための手掛かりが何もない状態で止まり続けてしまうと、学習時間だけが過ぎていきます。
大切なのは、
自分で考えることと、適切なタイミングで助けを求めることの両方
です。
質問札は、自分で考えることをやめるためのものではありません。
自分なりに考えた後で、どうしても次へ進めないときに、学習を再び動かすための札です。
「分かりません」から一歩進んだ質問へ
最初は、「全部分かりません」という質問でも構いません。
しかし、少しずつ、
「ここまでは分かりましたが、この先が分かりません」
「この公式を使うと思ったけれど、計算が合いません」
「答えは合ったけれど、この解き方でよいか確認したいです」
と、質問の内容を具体的にできるようになると、学習の質も高くなります。
先生も、生徒がどこで困っているのかが分かるため、必要な部分に絞って説明できます。
質問する力は、勉強だけでなく、高校、大学、仕事に進んだ後にも役立ちます。
困ったときに黙ったまま止まるのではなく、自分の状況を整理して、必要な助けを求める。
それも、大切な力の一つです。
学習を再び動かすための札
「質問あります札」は、答えをもらうためだけの札ではありません。
考えることを手伝ってもらう札です。
直し方を確認する札です。
次に何をすればよいか相談する札です。
そして、分からないまま一人で止まり続けないための札です。
次回の最終回では、この質問札を通して、知求塾がどのような教室を目指しているのかをお伝えします。

