アドレナリンをドバドバ出しながら、死ぬほど冷静でいる人
以前、オードリーの若林さんのエッセイを読んでいて、ものすごく印象に残った表現があります。
正確な言葉は少し違うかもしれません。
でも、趣旨としては、ほとんどこういう内容でした。
「アドレナリンをドバドバ出しながら、同時に死ぬほど冷静な選手」
これは、アメフトのトム・ブレイディ選手への称賛として書かれていたものです。
トム・ブレイディ選手は、アメリカンフットボール界の伝説的な選手です。
オードリーのお二人は、学生時代にアメフト部だったそうです。
そのご縁もあって、アメフトの世界一を決める大会「スーパーボウル」の番組などにも、よく出演されています。
若林さんは、そのスーパーボウルを見て、トム・ブレイディ選手のすごさをそう表現していました。
アドレナリンが出ている。
つまり、心はめちゃくちゃ熱い。
ものすごい大舞台。
ものすごいプレッシャー。
ものすごい観客。
一つの判断ミスで、勝敗が変わってしまう。
そんな状況の中で、心は燃えている。
でも、頭は冷えている。
これが、すごいなと思います。
熱いだけでは、たぶんだめです。
熱いだけだと、勢いはあります。
声も出ます。
気合いも入ります。
でも、判断を間違えることがあります。
逆に、冷静なだけでも、少し足りません。
冷静なだけだと、分析はできます。
論理的に考えることもできます。
でも、人を動かす熱量が足りないことがあります。
だから、理想はたぶん、
熱い。
でも、冷静。
心は燃えている。
でも、頭は澄んでいる。
そういう状態なのだと思います。
ぼくは、講師としても、経営者としても、いつもそうありたいと思っています。
子どもたちに向き合うとき、心は熱くありたい。
その子に伸びてほしい。
できるようになってほしい。
自分の可能性に気づいてほしい。
そういう気持ちは、ちゃんと持っていたい。
でも、同時に、冷静でありたい。
今、その子に必要なのは何か。
どこでつまずいているのか。
やる気の問題なのか。
やり方の問題なのか。
練習量の問題なのか。
それとも、今は少し休ませた方がいいのか。
そこは、気合いだけで決めてはいけません。
「がんばれ!」と言うのは簡単です。
でも、がんばり方がわからない子に、ただ「がんばれ」と言っても、あまり意味はありません。
「やればできる」と言うのも簡単です。
でも、何を、どの順番で、どのくらいやればいいのかが見えていなければ、子どもは動けません。
だから、講師には熱さが必要です。
そして、同じくらい冷静さも必要です。
さらに言うと、ぼくはそこに、少しだけ「抜けている感じ」も必要だと思っています。
あまりにも完璧な人は、近づきにくいからです。
いつも正しくて、いつも立派で、いつも隙がない人の前では、子どもは少し緊張します。
もちろん、先生としてちゃんとしていることは大切です。
でも、少し笑えるところがある。
少し失敗もする。
少し人間らしい。
そういう方が、子どもたちは話しやすいのではないかと思います。
だから、ぼくの理想は、
むちゃくちゃ心が熱くて、
むちゃくちゃ論理的で、
それでいて、少し抜けている人。
そういう講師でありたい。
そういう経営者でありたい。
ただ、これは簡単ではありません。
熱くなると、冷静さを失いやすい。
冷静になりすぎると、熱量を失いやすい。
ちゃんとしようとしすぎると、隙がなくなる。
隙を見せすぎると、ただのだらしない人になる。
バランスがとても難しいのです。
でも、だからこそ、目指す価値があります。
トム・ブレイディ選手のように、大舞台で、心を燃やしながら、判断は冷静にする。
それは、スポーツ選手だけに必要な力ではありません。
勉強にも必要です。
仕事にも必要です。
受験にも必要です。
人を育てることにも必要です。
テスト前に焦る。
受験前に不安になる。
大事な場面で緊張する。
それは、自然なことです。
でも、その中で、今やるべきことを一つずつ考える。
感情に飲まれすぎず、目の前の一問に向かう。
熱い気持ちを持ちながら、冷静に手を動かす。
それができる人は、強いと思います。
知求塾も、そういう場所でありたいです。
ただ楽しいだけの場所ではなく。
ただ厳しいだけの場所でもなく。
心は熱く。
判断は冷静に。
そして、できるだけ上機嫌に。
今日も、そういう一日を目指します。
ぼく自身、まだまだです。
理想には、まったく届いていません。
それでも、理想の方向を向くことはできます。
今日もまずは、上機嫌からスタートします。
みなさまも、良い一日を。

