知求塾

鍵山秀三郎さんから受けた多大な影響① 「掃除、あいさつ、礼儀」が人をつくる

2026年7月12日 | chikyujyuku

鍵山秀三郎さんから受けた多大な影響①

「掃除、あいさつ、礼儀」が人をつくる

イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんという方がいます。

日本において「掃除道」ともいえる文化をつくり、その高みを極めた、求道者タイプの経営者さんです。

鍵山さんは、カー用品販売のイエローハットを創業された方です。もともとは自転車一台での行商から事業を始め、のちに大きな会社へと育てられました。また、会社経営だけでなく、掃除を通じて人の心を磨く活動にも長年取り組まれ、「日本を美しくする会」の活動にも深く関わられました。

私が鍵山さんの本を読んだのは、20代のころでした。

そのころの私は、まだ教育者としても、経営者としても、今よりずっと未熟でした。もちろん今も未熟なのですが、当時はもっともっと未熟でした。

そのときに鍵山さんの本から受けた影響は、とても大きいものでした。

特に強く残っているのは、

掃除。
あいさつ。
礼儀。
親切。
熱意。
そして、数値を見る大切さ。

こうした、ごく当たり前に見えることを、どこまでも深く、どこまでも徹底していく姿勢です。

「掃除をする」

これは、言葉としてはとても簡単です。

しかし、鍵山さんの掃除は、ただ床をきれいにするという意味ではありません。

自分の身のまわりを整える。
人が嫌がることを引き受ける。
誰も見ていないところで手を抜かない。
小さな乱れを、小さなうちに整える。

そういう生き方そのものとしての掃除だったのだと思います。

教育の現場でも、これはとても大切です。

勉強ができる子は、いきなり難問が解けるからできるのではありません。

机の上が整っている。
字をていねいに書く。
あいさつができる。
間違えた問題をそのままにしない。
小さな約束を守る。
人の話を聞く姿勢がある。

そういう「当たり前」の積み重ねが、結果として学力になります。

反対に、どれだけ頭がよくても、こうした土台が崩れていると、なかなか力は伸びません。

勉強とは、結局のところ、日々の姿勢が出るものだからです。

鍵山さんの考え方には、「凡事徹底」という言葉がよく似合います。特別なことをするのではなく、誰にでもできる平凡なことを、誰にもできないくらい徹底して続ける。『凡事徹底』は、鍵山さんの掃除実践を通じた考え方を伝える代表的な著作として知られています。

これは、知求塾でも大切にしたい考え方です。

姿勢をよくする。
字をていねいに書く。
直しをする。
あいさつをする。
教室をきれいに使う。
先生にも、友だちにも、家族にも、礼儀を持つ。

こういうことを、軽く見ない。

むしろ、こういうことこそが、人をつくります。

私は鍵山秀三郎さんに、直接お目にかかったことはありません。

けれど、20代のころに本を通じて受けた影響は、今も自分の中に残っています。

教育も、経営も、人生も、結局は「小さなことをどう扱うか」に出る。

そう教えてくれた方でした。

華やかな成功の裏側にあるのは、派手な才能ではなく、毎日の小さな実践です。

掃除。
あいさつ。
礼儀。
親切。
熱意。
数値を見ること。

これらは、一見すると地味です。

しかし、地味なものほど、人間の本質をつくります。

知求塾でも、子どもたちに伝えたいのは、まさにそこです。

勉強ができるようになることは大切です。

しかし、それ以上に大切なのは、勉強を通して、よい姿勢を身につけることです。

自分の机を整える。
自分の字を整える。
自分の直しを整える。
自分の言葉を整える。
自分の心を整える。

その積み重ねが、やがて人生を整えていきます。

鍵山秀三郎さんから受けた影響は、今も私の教育観の中に生きています。