面倒なこと、というのは生活にも、仕事にも、勉強にも、必ず出てきます。
「うーーん、面倒くさい……」
と感じるようなタスクもあれば、
「どうしたらいいか、見当がつかない」
という種類の困難もあります。
後者の方が、厄介です。
手をつける前から、心が止まってしまう。
坂口は読書が好きです。
理由は単純で、自分が凡人だと、よく分かっているからです。
僕くらいの能力の人間が悩むことの大半は、実はもう、過去の誰かがしっかり悩み、考え、答えを残してくれています。
人類は、案外、同じところでつまずく。
そうした先人たちが、何百年も前から繰り返し言っている
「困難への向き合い方」があります。
それが、「困難は分割せよ」という考え方です。
中学3年生の国語の教科書に、劇作家・井上ひさし先生の『握手』という作品があります。中3以上の皆さんは当然知っていますね。
その中で、ルロイ修道士という人物が、主人公の「わたし」に向かって、人生の教訓として語る言葉があります。
「困難は分割せよ」
静かだけれど、胸に残る、とても良い場面です。
実はこの言葉、オリジナルは哲学者ルネ・デカルトのものです。
デカルトは、難しい問題に直面したときの基本原則として、こう考えました。
大きすぎて扱えない問題は、小さく分けて、一つずつ解決せよ。
とても地味な考え方です。でも、極めて強い。
人は、大きな困難を「そのまま」見つめてしまうと、思考が止まります。
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量が多すぎる
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ゴールが見えない
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失敗したときの不安が大きい
こうなると、やる気の問題ではなく、脳が処理できなくなるのです。だから、分ける。
たとえば、難しいレポートを書くとき。
いきなり「レポートを書こう」とすると、手が止まります。でも、
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まず目次を作る
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次に各章を箇条書きにする
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今日は1項目だけ書く
こうして細かくすると、「できそうな作業」に変わります。
車の運転も、同じです。
ハンドル、アクセル、ブレーキ、周囲確認。
最初から全部同時にはできません。
一つ一つを覚え、組み合わせていくことで、「運転」が成立します。
勉強も、仕事も、人生も、基本構造は同じです。面倒なことほど見当がつかないことほど分割する。砕く。小さくする。
そして、「今日できる一つ」だけをやる。
この考え方は、数学やプログラミングの世界では「分割統治法」と呼ばれています。
複雑な問題を、扱えるサイズに分けて、順番に解決する方法です。
人間の思考に、一番合ったやり方なのだと思います。
「一気にやろう」としないこと。
「完璧にやろう」としないこと。
凡人が困難に勝つ唯一の方法は、賢く、卑怯なくらいに、小さく刻むことです。
もし今、勉強が進まない、仕事が重たい、生活がごちゃごちゃしている
そんな感覚があるなら、それは能力不足ではありません。
問題が、まだ大きすぎるだけです。
分けましょう。今日できるサイズまで。
困難は、気合で突破するものではありません。
分割して、各個撃破するものです。
2026年も、この王道を、淡々と歩いていきましょう。

