新年度のこの時期、保護者の方や生徒からよくいただくご相談があります。
「うちの子、これといった目標がないんです」
「何を目指して勉強すればいいのか分からないみたいで…」
たしかに、目標はあったほうがいいです。
ゴールがあると、人は頑張りやすくなるし、努力の方向も定まります。
ただ一方で、目標が持てない子がいるのも、すごく自然なことだと思っています。
今はとても豊かな時代です。
モノは一通りそろっているし、「これがないと生きていけない」という切迫感も少ない。
昔のように「とにかくいい学校へ」「とにかく安定した職業へ」という一本のレールも、良くも悪くも弱くなっています。
だからこそ、
「何を目標にすればいいのか分からない」
という状態になるのは、ある意味当然なんですよね。
では、そういうときにどうするか。
無理に大きな目標を作ろうとしなくてもいい、と私は思っています。
その代わりにおすすめしたいのが、
“日々の過ごし方の質”を上げることです。
学校で、お家で、まずは「ご機嫌に過ごす」。
そして、周りの人に対して、ほんの少しだけ親切を増やしてみる。
挨拶を少し元気にする。
困っている子がいたら一言声をかける。
家で「ありがとう」をちゃんと言う。
それくらいでいいんです。
親切にされて嫌な気持ちになる人は、ほとんどいません。
そして不思議なことに、そういう行動を続けていると、自分の気持ちも少しずつ前向きになっていきます。
私は、これは一種の「人格トレーニング」だと思っています。
目標がないときこそ、
・どういう人間でいたいか
・周りとどう関わるか
という“土台”を磨くチャンスです。
そして、ここからが少しだけ踏み込んだ話です。
私自身の考えとしては、やはり「目標はあったほうがいい」と思っています。
では、どうやって持てばいいのか。
そのヒントは、
「自分のこと」だけを考えすぎないことにあると思っています。
多くの子は、「自分は何がしたいか」「自分は何になりたいか」と考えます。
もちろん大切なことです。
ただ、それだけだと、なかなか見つからないことも多い。
そんなときは、少しだけ視野を広げてみる。
・家族のために何ができるか
・友達にとってどんな存在でいたいか
・周りの人にどんな影響を与えたいか
こうやって「自分たち」という視点で考えてみると、不思議とヒントが見えてくることがあります。
これは簡単なようで、実は訓練が必要な考え方です。
でも、この“自分の幅を広げる力”がついてくると、
あとから目標は自然と生まれてきます。
最初から立派な目標はいりません。
まずは、
「ご機嫌に過ごす」
「ちょっとだけ親切を増やす」
そこからで十分です。
知求塾では、学力だけでなく、こうした「人としての土台」も大切にしています。
目標がなくても大丈夫。
でも、そのまま止まらずに、一歩だけ前に進んでみよう。
その積み重ねが、気づいたときに大きな力になっています。